小田原を抜けてしばらく経った頃、国道沿いに元プロレスラーが営む「ルート517」という店が見えてくる。ドライブインというより、大衆食堂というのにピッタリなため、「国道食堂」という名もある。この店の食事は、どれも美味しいが、ちょっと変わっているのは、プロレスのリングがあること。さまざまな人々が集うこの店には、偶然か運命のいたずらか、とんでもないことが起きることがあって……。「東京バンドワゴン」「花咲小路」「マイ・ディア・ポリスマン」などのシリーズを持つ著者、田舎町の食堂を舞台に、様々な人間模様を描く、心温まる小説。