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〈種〉の超克 生命の再生産とその欺瞞

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本書の副題にある「生命の再生産」という言葉を目にするとき、何を思い浮かべるでしょうか。親から子どもが生まれ、その子どもが成長して親となり、またその子どもが生まれる、という世代の連鎖でしょうか。それとも死者の生まれ変わりとしての生者というようなイメージでしょうか。取り沙汰されることの多い「少子化問題」を思い浮かべる人もいるかもしれません。出生数の減少が社会に負の影響を及ぼしている、という議論がなされています。そこでは、「生むこと」をしない人が増えたことに危機感を抱き、次世代に対する責任が説かれたり、「生むこと」をめぐる個人を取り巻く環境を整備する必要性が訴えられたりします。しかし、本書は「生むこと」を「人類の存続」や「社会の繁栄」や「種の繁殖」といった大義のために「当たり前に必要なこと」とは考えません。「人類」や「社会」や「種」を構成する人々の数が増えるか否かという尺度で「生まれること」を意味づける考え方から距離を置き、「生まれること」をそれ自体として意味づけることを試みるのです。そのためには、各々の経験の個別性や唯一性を捨象せず、どのような経験をした人にも共通して開かれた地平で「生まれること」について考えなければなりません。本当は誰にとっても関わりのある「生命の再生産」という問題をマルクスに立ち戻ってそれ自体として考察する中で、フォイエルバッハや田辺元といった者たちの思考を再検討する本書は、マルクスの思考には今日の重要な課題である「人新世」の始まりやエコロジーに通じるものがあることを明らかにするでしょう。『高群逸枝の夢』で注目を集めた著者が満を持して放つ渾身の論考がついに姿を現します。[本書の内容]第一章「息子たちは父をもたない」1 誕生以前の生き物は己の生まれる夢を見るか?2 父でなく、父たること3 二人のルイ第二章 資本、父と子、自己増殖1 算術への反乱2 自己増殖する怪物3 再生産論再考4 「人類の不死性」をめぐる対話5 「神学者」マルクス第三章 労働の彼方1 宿命の名の下に――自然と人間の物質代謝2 時間の弁証法3 「自由の国」の必然性4 労働は永遠に?5 幽霊的労働第四章 種と性とフォイエルバッハ1 二人の「類」(1)――マルクス2 二人の「類」(2)――フォイエルバッハ3 種としての個体4 想像の集合体5 「超人への橋」、種の終わり第五章 幼虫の形態学1 「人間の生成」2 田辺元、否定のロンド3 運命の夜、偶然の星4 種のメタモルフォーゼ5 出会いの系譜学

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