言文学原論I 人文学からの生成文法

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古典文学や外国文学の研究では、必然的に言語の分析が基礎作業となる。また、過去の言語を研究する際、文学作品が素材として多くなるのは必然である。しかし、現代の言語学は一部でレトリックや文体の研究が行われているが文学研究から乖離しており、文学研究のほうも現代言語学の成果はほとんど参照していない。両者は「ディシプリン」が異なるからである。ディシプリンは「言語学」と呼ばれる分野の中でも異なる。生成文法や認知言語学のような理論言語学をはじめとするディシプリンがあり、それぞれ言語についての見方、「言語をどのようなものとしてみるか」は異なっている。研究者は確立された学問分野のディシプリンから出ようとせず、自らの拠って立つディシプリンを疑い、根本から覆そうとはしない。だが、所与のディシプリンを疑わないことは、すでにある研究と類似の研究を追加することを意味する。以上の認識のもと、著者は新しい「言文学」の誕生を宣言する。その「原論」を提示する三部作の第一作となる本書は、ノーム・チョムスキーが創始した「生成文法」を取り上げ、批判的に検討する。続く第二作では「認知言語学」を、第三作では「文」の問題が主題とされる予定である。学問領域の細分化が進む趨勢に抗う著者渾身のプロジェクト、ここに始動。[本書の内容]序 説第一章 生成文法を理解するチョムスキーはなぜ難読か/初期理論『統辞構造論』/『文法理論の諸相』と標準理論/「名詞化管見」とXバー理論/改訂拡大標準理論と痕跡理論/『統率・束縛理論』/障壁理論/ミニマリストプログラム/生成文法への違和感/ボトムアップからブリコラージュ言語観へ第二章 生成文法の脱構築と再構築二項対立図式とロゴス中心主義/言語能力の生得説と言語獲得/観察的妥当性、記述的妥当性、説明的妥当性/子供の言語獲得とプラトンの問題/5 言語能力と言語運用/I言語とE言語、自然科学/深層構造と表層構造/思考とコミュニケーション/列、計算、コンピュータ……第三章 生成文法を解釈する項構造、VP、IP、CP/Xバー理論から最小句構造へ/格/二項枝分かれ構造と与格構造/縮約的文法とvP/名詞句と副詞、付加詞/外置変形、副詞の移動、重名詞句転位と日本語の語順/PROと痕跡/wh移動/作用域とLF移動/D構造の廃止とミニマリストプログラムのモデル……第四章 英語中心主義項構造文法の限界/日本語の「主語」概念と尊敬語化/proは存在しない/非能格と非対格を巡って/束縛原理は原理ではない/IPとSOV仮説/Fukui 1986の相対化X′理論/「かきまぜ」は「かきまぜ」ではない/数量詞の「数詞+類別詞」部分について/whの「非顕在的移動」とは何か……

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