異聞風土記
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作品情報
過去の風景が未来を語る。流転の日々をその土地と人々の記憶から紡ぎ出す、<極私的日本史>。どうしても読んでみたかった本が目の前にある興奮。最も誠実なインタビュアーとしてあらゆる人生の細部に光を投げかけてきた著者がとうとう語り始める、自らの人生。在日韓国人三世として呼吸したこの国の、風と土の変遷。――七尾旅人(シンガーソングライター)、推薦高度成長期に生まれ、多感な時期にバブルとその崩壊を体験し、阪神大震災・東日本大震災という二つの巨大な天災をへて、いま未知のウイルスに浸食されている「私たち」。その姿がたった一人の視点と経験が浮かび上がらせる。神戸・京都・大阪、東京を経由して、福岡・鹿児島、そして宮古島へ。すでに行き去りし人々の息遣いと熱をまとった「私の物語」から明らかになるもう一つの日本史。【本文より】そこでしか語られない言葉があり、そこに吹き渡る風がある。風土を記すとは、表に現れないところを感じることではないか。――そんな想像を手掛かりに私が暮らした、歩いた土地について記してみたい。【目次】第1章……神戸編1:神戸、1975年2:あちらとこちら、1975年3:阪神間モダニズム4:モロゾフとコスモポリタン、1984年5:震災、1995年第2章……京都編1:洛中洛外2:路地3:ソウル4:巫祝第3章……大阪編1:大阪との邂逅、1989年2:鶴橋3:彼女の口の達者さ第4章……東京編1:東京、1994年2:大山ハッピーロード3:別離、1995年4:歌舞伎町、2002年5:千駄木、感情教育の始まり6:2011年3月11日第5章……福岡そして鹿児島1:福岡、2013年2:メゾンプールサイド3:本当に本当の記憶4:鹿児島、2017年5:永遠の今を生きる人たち第6章……宮古島1:宮古、2015年2:ミャークとヤマト3:淫蕩終わりに