簡単な生活者の意見

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作品情報

1959(昭和34)年より、東京西郊の団地にある賃貸の2DKに住まう文芸評論家は子ももうけることも家を所有することも欲することなく、親族との関係も絶ち、石塊の声に耳を傾けながらひたすら人間の生の根柢を見つめつづけてきた。声高に語られる正義の言葉に疑問を呈し、その虚偽を拒む思考とはどのようなものか?1974(昭和49)年から1987(昭和62)年という、オイルショック直後からバブル景気の時期に時代と社会の定点観測のように文芸雑誌や書評紙に書かれた文章を読む者は、その言葉が呟きのようでありながら独自性と粘りに満ちていることに気付かされる。その深くえぐるような強度は、21世紀の現代においてむしろ重要性が増しているように感じられるものなのである。混迷する世界にかろうじて生きる我々にこそ響くエッセイ集、初の文庫化。

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