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オアシスの階級闘争 《Definitely Maybe》で読み解く、音楽とポピュリズム

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オアシス論の名著、ついに刊行! なぜオアシスだけが圧倒的な支持を得ることができたのか? 夢も希望も失われた格差社会の中で、多くの人々に届いた楽曲(アンセム)の、 音楽的背景、社会的背景、文化的背景を分析した本格評論。 ポップ・ミュージックはなぜ、あの時代に希望の団結を生んだのか。 いまこそ知っておきたい、デビュー前後の時代と音楽を結ぶオアシス論。 衝撃的なデビュー・アルバム《Definitely Maybe》は、 チャック・ベリーからマイ・ブラッディ・ヴァレンタインに至るまで、 1950年代以降のギター・ミュージックの歴史のほぼすべてを要約してみせた。 この驚異的なアルバムはまた、過去四半世紀のどの音楽作品よりも、 人びとの集合的な希望と夢を語ることに近づいた社会的ドキュメントでもあった。 「トレインスポッティング」前夜の90年代のイギリス社会に登場し、 再結成とともに再び社会現象となったオアシスを、気鋭の論客が再考する。 ※本書はDU BOOKSより本体2,500円+税にて刊行されました。 <おもな内容> はじめに 芸術には、形式があり、政治がある 序    新自由主義の孤独の中で、アンセムを歌ったオアシス 1章 地 労働者階級の瓦礫からどのように音楽が生まれたのか? オアシスはなぜ〈最速〉で神話化されたのか 社会が崩れた時、音楽が生まれた──マンチェスター1980年代 ザ・スミスからオアシスへ── ローカルな閉塞とグローバルな鬱屈 ヒップホップとオアシス――コラージュ文化の交差点 オアシスの不遜な創作術――「盗用」か「引用」か 共同体としてのオアシス――仲間意識と反骨の起源 2章 水 90年代を満たした水のメタファーとポップの欲望 90年代ポップ・カルチャーに溢れた「水」のイメージ ザ・レインからオアシスへ――バンド名に込められた水の詩学 グランジとシューゲイザー――オーウェン・モリスの爆音の壁 ストーン・ローゼズからオアシスへ──〝大きくなること〟の美学 〝永遠〟を鳴らす――〈Live Forever〉のプロダクション 3章 火 自己責任の時代に響く、反抗なき怒声 衝撃のデビュー ノエル・ギャラガーと孤独の詩学 〈Supersonic〉の誕生 セックス・ビートルズ――〈Bring It On Down〉再考 享楽の果てに残るもの──〈Cigarettes and Alcohol〉という敗北のアンセム 4章 空気 ベッドルームと政治の空白 『トレインスポッティング』前夜のイギリス社会 オアシスは政治的なバンドである 革命か、祝祭か、堕落か ロックンロールはどこまで昇って、どこで堕ちた? 夢が終わり、階級的現実へ――〈Slide Away〉から〈Married with Children〉 追記 〈Don’t Look Back in Anger〉反抗から感傷の時代へ 殺し合わないだけマシ――《Morning Glory》派による解説 北村紗衣

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