2つのイラン

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複雑な「モザイク国家」の解像度が上がる!実は日本のことが大好きなイラン。その理由は朝ドラ「おしん」に?◎規制と黙認◎敵対と懐柔◎スマートフォンと検閲◎文明の誇りと搾取の屈辱◎中に残る者と外に出た者◎強固な信仰心としたたかなパロディ精神日本のメディアでは語られない、イランとそこに生きる者のリアル!イランとは、常に1つの事象に対して2つ以上の相反するストーリーが存在する複雑な国家だ。その難解さには、①国営放送をはじめとする徹底した情報統制と、それを司るイスラーム共和制という特異な国家体制②多重的な構造を持つ「モザイク国家」といった明確な理由がある。つまり情報は政治の道具であり、真実は何層にも覆われた文脈の奥深くに隠される。そして多様な民族が混在するため、国のアイデンティティを単一の物語で語れない。対外姿勢も混迷を極める。日本のメディアでイランが話題になるとき、そのほとんどは周辺国、特に米国やイスラエルと衝突しているというニュースだ。しかし、イラン国内にはユダヤ教徒が厳然として存在し続け、ペルシア人とユダヤ人には2500年を超える共存の歴史がある。こうした「矛盾」とも言える事象が随所に横たわっていることが、この国の理解を一層難しくしている。では、イランに生きる人々も、難解で複雑な国のイメージを体現しているのか。答えは否、である。悠久の歴史と数多くの世界遺産に誇りを持つ一方で、大国の論理によって領土を削られ、資源を奪われてきた屈辱と怒りの念を抱いている点で、確かに難しい面も持ち合わせる。しかし、特筆すべきはイラン国民の比類なき「おもてなしの心(メフマーンナヴァーズィー)」。彼らは見知らぬ旅行者を温かく迎え入れ、親し気に寄り添ってくる。また、体制による規制や検閲でがんじがらめになりながらも、それをしたたかに搔いくぐり、自由のために声を上げ続ける。何より、彼らは日本のことが大好きだ。その意外な理由も本書で明確になる。ややこしいからこそ惹かれてしまう、中東の大国のリアルが詰まった一冊!

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