断簡 ある音楽学生の生と死

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※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。揚々と戦地へ赴いた若き音楽家。そして父の愛情と苦悩。こよなく音楽を愛し、師を得て東京音楽学校(現東京藝術大学)へと進み、オペラ《白狐》の作曲を進める。音楽の道に邁進する村野弘二は、しかし1944年11月、フィリピン・マニラへと出征し、還ることはなかった。戦地で果てた弘二、煩悶と悲しみの中苦しみ続けた父・貞朗、筆者が訪れたフィリピンのロラ(おばあさん)――戦争が一個人にもたらすものの真実を、私たちは忘れてはならない。