朝起きると「C(ド)~」とロングートーンの声を出してみる。ピアノのCとピタリとあえば、宝くじで1等賞が当たった気分だ。僕は「絶対音感」の持ち主ではない。フレーズ、和音、何をとってもジャズにはなっていない。ほかの生徒はできあがっている人もいるというのに。ア。ンナ先生に訴えると、彼女はこう言ったのだ。「あなたはジャズを始めたばかりでしょ。死ぬほど練習して、これからなのよ。それから人と比べるのはナンセンス。あなたにはあなたの培ってきたポップセンスと作曲があるでしょ」。僕の目から熱いものがこぼれた。エリザベス・ローニンガー、ジェラルド・ダンジェロ、チャールズ・トレヴァー。新しい先生たちがぞくぞく登場!【読了時間 約15分】