夫妻集
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シリーズ
全1冊
作品情報
娘が婚約者を連れてきた。他人の分の寿司も遠慮なく口にする、だらしのない男。娘が選んだ人ならば。自分は、心が広く先進的な父親。そう思っていたはずなのに。神保町にある出版社、景談社で働く佐原滝郎は、娘の結婚に心が揺らぐ。「娘が結婚すべきではない」と感じた婚約者は、意外にも滝郎の妻には好印象。妻もあの婚約者のことは気に入らないと思っていたのに、一体なぜ?積み重ねてきた夫婦生活の中で初めて見えた、自分と妻の間にあるひずみ。もしかして、妻と自分はーー。社内の三組の夫婦の姿を見ていくうちに、滝郎はある決意を固める。