それいゆ文庫 マダム・ベンゼルクの読書係2

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幸せってね、本人がそれを望んでいないと、なかなかやってこないものだったりするのよ。難儀なものだと思わない?ベンゼルク伯爵夫人の読書係アマーリエ。長期休暇に入ったばかりの大学構内で出会ったのは、バラ色の髪を縦ロールに巻いた、学生らしからぬ令嬢だった。なんと彼女はこの大学に入学したいという。それも、恋した男性の理想の相手になるために。3日前の王宮舞踏会で不良に絡まれたフロレンティーナを、その男性は助けてくれたらしいが、名乗りもせずに立ち去ってしまったという。唯一聞き出せたのが、学業に励む女性が好きだということだったのだ。それを聞いたアマーリエは、ベンゼルク伯爵夫人や、夫人の屋敷を訪ねてくるリシャード子爵に、フロレンティーナとその恋の相手について話し、徐々に彼女の恋を応援するようになっていく。一方、『恋の伝道師』と呼ばれる夫人を頼ってきたのは……まさにフロレンティーナが恋した相手・ボドワンだった。彼は夫人に恋の手ほどきではなく、王宮舞踏会で猛アタックをかけてきた令嬢を、どう遠ざけたらいいかを尋ねるのだった――

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