つまらない中学をどう変えるか
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作品情報
20世紀初頭に生まれたフレネ教育は、子どもの主体的で自由な表現、協同による学びを重視する新教育運動として、欧米や日本で長く実践されてきた。しかしその中心は幼稚園や小学校であり、中等教育で本格的に展開された例は世界的にもほとんど存在しない。そうした状況のなか、2008 年、南仏ラ・シオタ市で、公立中学と高校をつなぐフレネ教育実験プログラム(CLEF)が公式に認められた。これは、中等教育の領域におけるフレネ教育の初の大規模な試みであり、生徒の「問い」から授業をつくるという思想を、中学・高校の教科教育に本格的に導入する画期的な挑戦となった。この試みの背景には、フランスの伝統的な教養主義教育が生徒の興味を喚起できず、学びからのドロップアウトを生み出すといった深刻な現状がある。興味の持てない授業に渋々参加する生徒を前に、根本的に教育を変えたいと願う教師たちが、生徒の個性的で自由な表現を尊重するフレネ教育の思想にもとづいて、生徒の問いから出発する教科教育とカリキュラムをつくり出した。それは教科の系統性にもとづく教師の指導性が重視される中学・高校の授業を、生徒の問いによって展開する授業へと革命的に変えたといえる。本書は、編著者らが2013年から2019年にかけて実施した5度の現地調査(授業観察、教師・保護者・生徒インタビュー)をもとに、フレネ中等教育の実践を詳細に描き出すものである。授業がどのように生徒の問いによって展開し、教師がいかに試行錯誤しながら新たな指導性を築いているのか、さらには評価のあり方、学習成果発表の場づくり、生徒の関係性の変容など、多面的な視点を盛り込んでいる。 テストと規律で生徒を管理しがちな日本の中学校・高校において、「つまらない学校」をどう変えることができるのか――。生徒が主体的に学び、自ら問いを立て、自分の表現を育てていく学校の姿を具体的に示す本書は、日本の教育にとっても大きな示唆と可能性をもたらすといえる。
- 著者
- 出版社 明石書店
- ジャンル
- シリーズ つまらない中学をどう変えるか
- 電子版配信開始日 2026/11/07
- ファイルサイズ - MB
