路上の伝説
購入済み
シリーズ
全1冊
作品情報
ある日、先輩から連絡が来た。――抗争になる、お前の力が必要だ。隣街の暴走族との総力戦。中間地帯に集められ、俺たちは対峙した。全員で激突したら、どちらが勝っても共倒れになってしまう。総長同士で話し合った。その結果、一番強い奴同士だけで決闘させて、それで勝敗を決することになった。行くのはお前だと、指名されたのが俺だった。俺はまだ無名の喧嘩自慢。暴走族にも入ったばかり。けれどそんなこと関係なかった。強い奴とやれるなら、相手は誰でもよかった。顔も名前も知らない、敵の族の代表と対峙する。始まるや否や、飛びかかってくる相手の顎に、俺は左フックを打ち込んだ。そのたった一撃で相手は失神し、二つの族の全面抗争は一瞬で終結した。――その日から、俺は“路上の伝説”と呼ばれるようになった。