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火山で読み解く古事記の謎

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なぜ古事記は火山地帯をおもな舞台としているのか?古事記における大きな謎のひとつは、九州南部と出雲の二か所が神話の舞台として繰り返し登場することです。その謎をとく鍵は、その二か所が日本列島で有数の火山エリアであるというシンプルな事実から見出されるのではないでしょうか。縄文時代の半ばごろの今から7300年前、鹿児島県の南端の沖合いで「鬼界カルデラ大噴火」という、噴煙の高さが海抜43キメートルにもおよんだと推定される、すさまじい規模の噴火がありました。日本史上、いや、この一万年間では地球上で最大の噴火ともいわれる規模でした。その巨大な火山噴火に遭遇した縄文時代の人々の、驚きや畏怖の感情が、古事記神話の「種」になったのではないか? そう思い描いてみると、神々の物語はまったく違った相貌を見せてくれます。地質学データ、文献、足で集めた情報をもとに古事記神話の謎に挑戦する意欲作!火山と古事記を結びつける本や論文を紹介するガイドブックであり、九州、出雲、熊野という古事記神話の舞台への旅にいざなうガイドブックです。<目次>第一章 アマテラスと縄文時代の巨大噴火第二章 出雲――八雲立つ火山の王国第三章 縄文時代に出現した天孫降臨の山第四章 女神イザナミ――黄泉の国は火山の国か第五章 熊野――謎の巨大カルデラの記憶第六章 大地を鎮める王――永遠に遍歴するヤマトタケル終章 日本列島における火山の記憶

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