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あらすじ

~家族を壊したのは、母の意思ではなく、アルコール~物心ついた頃から母親は一日中お酒を飲んでいた。両親は毎晩ケンカをしていた。家族がうまくいかないのは、母親の酒のせいだと気が付いた福岡雅樹少年は、学校から帰るたびに母から酒を取り上げ、シンクに流していった。それでも母親は酒をやめられず壊れていく。ある日少年は、母親から性的虐待を受けた。まだ幼かった少年は、それが罪だとも知らずに母を受け入れた。その後、両親は別居。母は亡くなった。母を奪ったアルコールが憎かった。だけど少年は大人になり自分も母と同じ病気になってしまう。そこからどのようにアルコール依存症を克服し、現在に至るのか?依存症を支援し続けるソーシャルワーカー・斉藤章佳と、依存症の回復を模索し続ける医師・竹内達夫との「語り」から見えてきた、この冷たい日本を生きていくための処方箋!「悪いのは母親ではなく、この液体なのだ。 この液体が、母をモンスターにしてしまったのだと…… その後しばらくして、両親は離婚しました」―――福岡雅樹「この疾病は決して〈自業自得〉でも、〈自己責任〉でもないのです。 本当に嫌な言葉ですよ。最近流行の〈自己責任〉というのはね」―――竹内達夫「自己責任だと断罪する国というのは カミングアウトしにくいですし、助けを求めにくい世界です。 それよりも〈回復責任論〉を大切にしたいと思っています。 これは、依存症という病気になった責任は個人にはないけれど、 そこから回復に取り組む責任はあるよ、という考え方です」―――斉藤章佳

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