文豪アントン・チェーホフの代表作から知られざる名作までを一冊に収録し、読みやすく編集した電子版チェーホフ全集。海外文学を代表する世界的文豪たちの長編小説、短編、評論、随筆などを多数収録し、手に取りやすい価格で合本した電子書籍ならではの文学シリーズです。●目次イオーヌィチ犬を連れた奥さんかきカシタンカかもめ可愛い女グーセフ頸の上のアンナ熊決闘子守っ子桜の園少年たち小波瀾接吻大ヴォローヂャと小ヴォロー
“高貴な俗物”と“正義の成り上がり”による、人生を賭けた愛憎劇。著名なロシア文学のひとつである「桜の園」から、新たな物語が浮かび上がる! ラネーフスカヤの夫はシャンパンの飲み過ぎで他界、息子は溺死、領地は競売にかけられる――。破産寸前の地主貴族の一家が踏み出す…
南ロシアの地主であるラネーフスカヤ夫人は夫と死別後、愛人とパリで暮らしていたが、愛人に裏切られ、経済的にもいきづまって、古い領地に帰ってくる。だが、その領地も抵当に入っており、破産は目前……美しい「桜の園」を舞台に、旧地主・貴族階級の没落とそれに取ってかわる新興ブルジョワジーの台頭を描く。チェーホフ四大戯曲の中でももっとも完璧な作品としてしばしば上演される名作。2004年はチェーホフ没後100年に
プローゾロフ家の三人姉妹、若くて、美しくて、才能のある三人(オーリガ、マーシャ、イリーナ)は、将軍の父の死後、田舎町の低俗な環境の中で、しだいに若さを失い、きりょうも衰え、才能もむだについえてゆく……物情騒然たる二十世紀初頭のロシヤ社会の空気のなかに、作者チェーホフが身をもって感じた近づく革命を予測する言葉が登場人物の口を借りて語られる。一九〇一年にモスクワ芸術座で上演するために書かれた。
この巻にはチェーホフの代表的な中編「退屈な話」と、最晩年の作品「いいなずけ」を収めた。「退屈な話」は、立派な経歴をもちながら退職後の生き方に自信をもてない絶望的な老教授の心境をえぐった中期の代表作品、「いいなずけ」はこれと対照的に、新しい生活への意欲を燃やして進んでいく娘を描いたチェーホフ43歳のときの最後の小説である。このときチェーホフは戯曲「桜の園」を執筆中で、翌年1月に初演にまでこぎつけたが
この巻には、チェーホフ作品の大きな転機となったサハリンへの大旅行以後の最初の野心作『決闘』と、晩年の清朗な世界へ移行しつつあった頃の代表作『黒衣の僧』の2編を収めた。「決闘」では、対照的な性格の二人の男の心の葛藤を、ぎりぎりまで追いかけている。
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