鷹将軍と鶴の味噌汁 江戸の鳥の美食学

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あらすじ

おいしい野鳥が食べたい!――幕府の権力をもってしても、江戸のグルマンの食欲を抑え込むことはできなかった。失われた食文化の全体像を、初めて描き出す異色作!江戸時代の人々は、多くの「野鳥」を多彩な調理法で食していた。鶴、白鳥、鴨、雁、雉子、雲雀、鷺、雀、鳩・・・それらは、食のみならず政治や経済、儀礼などをめぐって、魚やほかの動物たちには見られない、複雑で高度な文化の複合体を形作っていた。鳥は、日本文化そのものを理解するうえで欠かせない重要な動物だったのである。歴代の徳川将軍は、鷹狩で野鳥を狩り、鶴を天皇に献上し、また大名や家臣に獲物を分け与えた。中・下級の武士たちは雁鍋や鴨鍋を楽しみ、裕福な町人は料亭で野鳥料理に舌鼓をうち、庶民は鴨南蛮や雀焼といった素朴なファストフードを頬ばった。幕府によって野鳥流通が厳しく統制され、日本橋の水鳥市場は活況を呈し、その大きな利権を狙ってアウトローたちがうごめいていた。しかし、江戸時代に隆盛を極めたこの食文化は、明治以降、衰退してしまう。そして今、数千年の歴史をもつ野鳥を食べる伝統文化が、日本から消滅しようとしている。さまざまな野鳥料理のレシピ、江戸に鳥を送っていた村のフィールドワークなどから、語られざる食文化を総合的にとらえたガストロノミー(美食学)の誕生。目次序章 鳥の味にとりつかれた美食家たち第一章 鳥料理の源流――京料理から江戸の料理へ1 日本人はいつから鳥を食べていたのか?2 中世の鳥料理第二章 江戸時代の鳥料理と庖丁人――鶴の味噌汁、白鳥のゆで鳥、鷺の串焼き1 江戸の町から出てきた大量の鳥の骨2 『料理物語』のレシピ3 庖丁人――一流シェフの伝統と技術第三章 大衆化する江戸の鳥料理――富商、貧乏武士、町人の味覚1 鶏鍋、雁鍋、鴨鍋――中級・下級武士の食卓2 料亭・名店の味――富裕層、文人墨客の贅沢3 鴨南蛮と雀焼――庶民の素朴なファストフード第四章 闇の鳥商売と取り締まり――せめぎあう幕府と密売人1 「生類憐れみの令」による危機2 アウトローたちの鳥商売の手口3 鳥商売と大岡裁き第五章 侠客の鳥商人 ――東国屋伊兵衛の武勇伝1 日本橋・水鳥市場の男伊達2 幕臣と侠客との親密な関係第六章 将軍様の贈り物――王権の威光を支える鳥たち1 鷹狩と贈答による秩序維持2 「美物」の使い回し――中世の主従関係3 「饗応料理」の鳥の意味第七章 江戸に鳥を送る村――ある野鳥供給地の盛衰1 手賀沼の水鳥猟2 西洋的狩猟の浸食3 カモが米に負けた終章 野鳥の味を忘れた日本人

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