「無縁社会」に高齢期を生きる

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「かりに自分が健康で、若い世代に先んじられる不幸に遭わないですんだとしても、後期高齢者にとって避けて通れない大きな問題がある。それは、配偶者の病気と死、いいかえれば介護と永別である。そうした問題に対処する際、高齢者を支援するネットワークの筆頭が家族であるが、現代の家族は機能が弱化し、とくに高齢者支援をめぐって多くの問題が現れている。しかも現代社会は無縁社会と呼ばれ、「弧族」の語がメディアに躍るほどに、家族以外の絆も弱くなっている。」(本書「はしがき」より)『サザエさん』のような三世代同居はおろか、親と子どもだけの「核家族」ですらも主流の家族形態でなくなりつつある現代日本社会において、わたしたちは自らの高齢期をどのように生きることができる/生きればいいのか。家族の絆も、地縁も弱まる「無縁社会」で、高齢者が幸せな人生を送るには、まず「老いたら家族の世話になる」という固定観念を捨て、さらに従来の「家族」の枠を超えた緩やかで幅広い人間関係をつくっていく努力が必要だと著者は言います。すなわち、著者は「無縁社会」を「横着をすれば絆が細くなって無縁化するゾという、警告を発している社会」と捉え、わたしたち一人一人が家族に対しても友人に対しても、機会を見つけて電話や手紙などで〈好意の交換〉を行ったり、協力できることは協力を惜しまないなどといった、人間関係(縁)を保つための努力を積み重ねていくことが、高齢期を幸せに生きるための道だと提案します。なぜなら、わたしたちは人間関係(縁)に励まされてこそ、老いを生きる力が湧いてくるものだからです。長年の家族社会学研究をベースにしながら、関連する新聞記事なども駆使し、また著者自身による妻への介護体験をも織り込んで組み立てられた本書は精緻な論理構造を保ちながら、その筆致は読者に語りかけるかのような優しさを漂わせています。高齢者や福祉事業に携わる方だけでなく、あらゆる世代の男女に読んでいただきたい一冊です。

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