明治天皇 全6巻合本版

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あらすじ

幕末、日本近海には外国船が頻繁に出没し、徳川幕府の動揺をさそっていた。一方、貧窮のつづく禁裏では、今上の帝(孝明帝)が暗澹たる世情を憂いておられる。そうした折り、生を享けたのが明治天皇であった。浦賀に現れた黒船は、徳川二百六十年の泰平の夢を破った。激しく開国を迫る列強に、佐幕開国か尊皇攘夷か、世論はまっぷたつに割れた。大老井伊直弼の果断にして仮借ない政策は、世にいう“安政の大獄”の嵐となって全国に吹きあれた。将軍継嗣問題も強引に紀州慶福と定め、水戸派勢力の一掃がなされた。その反動は大きく、京洛は天誅につぐ天誅の巷と化した。騒擾のなか、まだ自分の運命は知らぬまま、祐宮は、健やかに成長していた。桜田門外の変で井伊直弼が倒れると、幕府には和宮降嫁にすがる公武合体の融和策しか手段がなくなった。騒然たる世相のさなか、将軍家茂が倒れ、つづいて孝明帝も崩御。若き睦仁親王(明治天皇)の双肩に国家存亡の危機がのしかかる。

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