失われた時を求めて10 見出された時

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あらすじ

パリに戻った私はゲルマント大公夫人の邸で開かれた午後の集いに出かけた。多くの知り合いと再会するが、みな時の流れによって変わり果てていた。私は肥ってしまったジルベルトをジルベルトの母と取り違えた。サン=ルー侯爵のかつての愛人ラシェルはいまや有名な女優である。ゲルマント公爵は老齢のために身体が不自由になり、シャルリュス男爵は耄碌していた。さらにジルベルトの娘に初めて対面するにおよんで、いかに時が過ぎ、自らもどのくらい老いたかを実感するとともに、「スワン家の方」と「ゲルマントの方」が少女の内に結び合わされていることをはっきりと認めた。私は時によって損なわれた人生を救うために一冊の書物を著すことを決心する。この作品は長大なものとなるだろう。スワン氏が帰ることを知らせる鈴の音が記憶の中によみがえった。この音は永遠に心の中で響きつづけるのにちがいない。

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全10冊

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