競争と秩序:東南アジアにみる民主主義のジレンマ

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なにが民主主義をはばむのか?現在、民主主義を採用する国々は世界の多数派となっている。しかし、その道のりには多くの紆余曲折があった。1980年代以降の急速な民主化の進行は、民主主義の権威主義体制に対する優位性を示したかにみえたが、新しい世紀を迎えてからその後退が指摘されるようになった。民主主義とある社会が出会うとき、安定的に調和するには多くの試練が待ち受けている。その鍵を握るのが「競争」と「秩序」である。自由な競争を保障することと安定的な秩序を確立すること。いずれも民主主義にとって不可欠でありながら、両者のバランスを取るのはそう簡単ではない。この二つの間の緊張関係に翻弄され、民主主義は、結局のところジレンマに陥ってしまう。そして、こうした試練が最も分かりやすい形で表れた地域のひとつに東南アジアがある。インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア、シンガポールの五カ国の現代史を比較政治学の理論をもとに多角的に跡付けたのが本書である。なにが民主主義をはばむのか。暴力的衝突、権力監視の侵食、操作された制度――。民主主義が超えるべき課題に斬りこむ。

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