もう泣かない電気毛布は裏切らない

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あらすじ

俳句甲子園世代の旗手、待望の初エッセイ集恋の代わりに一句を得たあのとき、私は俳句という蔦にからめとられた。幼い息子の声、母乳の色、コンビニのおでん、蜜柑、家族、故郷……日常の会話や風景が、かけがえのない顔をして光り出す。人は変わらないけど、季節は変わる。言われてみればそうかもしれない、と頷く。定点としての私たちが、移ろいゆく季節に触れて、その接点に小さな感動が生まれる。過ぎ去る刻をなつかしみ、眼前の光景に驚き、訪れる未来を心待ちにする。その心の揺れが、たとえば俳句のかたちをとって言葉になるとき、世界は素晴らしいと抱きしめたくなる。生きて、新しい何かが見たいと思う。(「あとがき」より)

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