廃炉時代が始まった この原発はいらない

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「再刊のためのまえがき」より「福島原発大災害への道」私はこの本を11年前に執筆した。しかし今読み返してみると、「福島への道」をたどりつつあった原子力発電の問題点を、原子力界の内部からかなり掘り下げることができたと思っている。異論を排除して開発を推進する産官学の癒着体制、ハイリスク・テクノロジーでありながら、その対応を怠ってきた当事者や規制当局、つぎつぎに起きる事故・故障、そして機会さえあればそれらを隠してしまう隠蔽体質、日本の原子力界はこうしたことを反省することなく、ひたすら「福島への道」を急ぎつつあった。考えてみれば、福島原発で起きたこと──この地震による電源の喪失、冷却材の喪失、炉心溶融、水素爆発などは、この本の執筆当時から、原子力関係者で安全に関心をもつ人たちには広く知られていた事象だった。全て本書にも書かれている。それがどうして福島第一原発では、災害への予防も含めて、適切に対応できなかったのだろうか。かつて原子力技術の一端に身を置いたものとして、このことに一番の「原子力の闇」を感じる。スリーマイル島事故などの教訓が生かされず、技術が正しく伝承されていなかったのである。その理由は何か。この間の事情を知ってもらうためにもと、10年前に執筆した本書を再刊したのであるが、あえて誤植などを除いてそのまま再現することとした。事故が発生してからの後知恵ではなく、事前にどのような警告ができたかを知ってもらうためである。

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