イギリス東インド会社 軍隊・官僚・総督

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21世紀の経済大国・IT大国として存在感が高まっているインドは、18世紀半ばから20世紀半ばまでの200年間、植民地としてイギリスに支配されてきた。このイギリス支配の基礎を築いたのが、イギリス東インド会社である。しかし、その存在があまりに大きいために全体像はつかみにくく、特に日本では、その規模と活動範囲がずっと小さいオランダ東インド会社に比べても、イギリス東インド会社についての研究や著作は非常に少ない。しかし著者は、現在のインドの経済成長と今後の可能性を見るとき、東インド会社にさかのぼるイギリスのインド支配の歴史と遺産を見直すことが必要だという。1600年にエリザベス1世がロンドンの商人に特許を与えたことに始まるイギリス東インド会社は、商社として発足しながら独自の軍隊を持ち、領土の支配者に変身していった。1858年に実質上消滅したときには、すでに商業的な機能さえもたない完全な植民地統治機関になっていたのである。オランダやフランスとの貿易競争、会社経営と企業統治の実態、会社の軍隊と国王軍・インド政府軍の関係、さらに巨大な官僚制を支えた社員採用と社員教育や、歴代総督のプロフィールまでを通観する。巻末に東京大学名誉教授で『東インド会社とアジアの海』の著者、羽田正氏が解説を執筆。〔原本:2009年 中央公論新社刊〕目次はじめに第一章 商社の時代一 イギリス軍インド会社とは何者か二 オランダ、ポルトガルとの競争三 アウトサイダーの挑戦四 統一東インド会社の誕生第二章 商社から領土の支配者へ一 フランスの挑戦二 ベンガルでの領土獲得三 社員の不正蓄財第三章 ベンガルの支配者から全インドの支配者一 会社経営における商業原則の後退二 会社と政府によるインドの共同統治三 企業統治の変遷第四章 インド貿易の自由化一 会社を牛耳った「海運族」二 私貿易人第五章 会社の軍隊一 会社軍と国王軍二 会社軍三 会社軍の部隊編制四 二つの英軍の統合の試み五 会社軍将校の勝利六 インドの大反乱後も傭兵頼みのインド政府軍第六章 インドの高級官僚―ジェントルマンリー・ルーラー一 社員の採用と行政官教育二 東インド会社一家三 公開試験の時代へ四 ICSはインドにおける超エリート第七章 三億人の支配者インド総督一 その起源二 ベンガル総督三 会社の時代の総督│クライヴからカニングまで結びにかえてあとがきイギリス東インド会社関連年表解説(羽田正)
- 著者
- 出版社 講談社
- ジャンル
- レーベル 講談社学術文庫
- シリーズ イギリス東インド会社 軍隊・官僚・総督
- 電子版配信開始日 2025/05/14
- ファイルサイズ - MB