本書の目的は、株式を買った後でまだ値下がりが続く安値買いの罠や、売った後でどんどん値上がりが続く高値売りの罠など、投資家が陥りやすい数々の罠を避けるための手助けをすることにある。ここでは、昔ながらの感情に基づいた市場攻略法を相対的なフレームワークに置きかえることによって、綿密な価格評価を可能にし、絶対的な真実をあてにすることなく、一連の理性的な投資の意思決定を導きだすことを目的とする。安く買い高く売るのだが、それは“相対的な意味“で安い、あるいは高いからそうするのである。絶対的なものに頼ることは最小限にとどめたい。「高い」の定義はトレーディング・バンドの上部を指すものとし、「低い」の定義はその下部を指すものとする。さらにここでは、このフレームワークをあなたの好みとあなたの個人的なリスクー報酬特性の基準に合わせるため、多くの提案を行っている。