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シシィの肖像:皇妃エリーザベトをめぐる神話と実像

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作品情報

シシィ神話を史料から解きほぐすエリーザベト──愛称シシィ。16歳でオーストリアの君主フランツ=ヨーゼフの妃となった彼女は、永遠の若さと美をまとったまま、やがてアナーキストの刃に倒れた悲劇の皇妃として語り継がれてきた。堅苦しいウィーン宮廷の儀礼に順応することを拒み、ハンガリーの精神に強い共感を寄せた一方で、日に何度も体重計に乗っては一喜一憂する強い自己愛の持ち主。無謀なほどに激しい乗馬に励み、風雨のなかを何時間も歩きつづけるような過酷な運動に身を投じ、休む間もなく次の旅に出かけるような「過活動」的性質。こうした神話が幾重にも折り重なるシシィ像の前で、著者のふたりは史料の限界や矛盾を受け止めながら、史実から明らかなかぎりでエリーザベトの姿を誠実に描きなおすとともに、彼女のもうひとつの顔をも照らし出す。皇妃は率直に政治的見解を述べ、ハプスブルク家の過ちや弱点を容赦なく抉り出す詩を書き残していたのだ。そうした事実は、見る人が見たいものを見いだすスクリーンのような存在と化した「シシィ」を現実のほうへと引き戻し、鋭さと痛みを抱え、言葉で世界に抵抗しようとした生身の人間として立ち現われさせる。[目次]序ポッセンホーフェンでの楽しい子供時代? 両親 子供時代と青春皇帝フランツ= ヨーゼフとの婚約と結婚 一八四八年革命の影の中での出会い イシュルでの婚約 ウィーンでの結婚式ウィーン宮廷での初期の結婚生活 最初の一緒の旅行 子供の誕生 イタリアとハンガリーへの旅自由と自己決定への長い道のり マデイラ コルフ、ヴェネツィア、リゾート地 皇妃としての使命 皇太子ルードルフの教育をめぐる権力闘争ハンガリーと皇妃の政治的側面 ハンガリーとのアウスグライヒ ブダペシュトでの戴冠式 ハンガリーへの愛と政治的禁欲美しさとその裏側 美崇拝 強迫的な痩身願望 身体トレーニング自分探しの旅へ エリーザベトと子供たち、バイエルンの親族たち 皇妃としておこなう公務の重荷 乗馬 ギリシアの世界 安息の地──アキレイオンとヘルメスヴィラ 落ち着きのない放浪生活アナーキストがもたらした死 暗殺 ルイジ・ルケーニ 葬儀と遺産性格と生活を映し出す、後世のための詩 文学的野心 皇帝との関係 ハプスブルク家の親族たち 政治的態度 ルートヴィヒ二世 愛の生活ヨーロッパの記憶の場としてのシシィ 記念碑と命名 エリーザベトの文学像──神話の生成 エリーザベトに関する「学術上の」取り組み 映画 ミュージカル的な解釈 博物館 エリーザベトが伝説であり、ノスタルジーの中心人物であるのはなぜか?日本語版へのあとがき訳者解題参考文献一覧

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