引越し侍 門出の凶刃

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あらすじ

からっけつの旗本が陰謀を暴き、巨悪を両断!血筋はよくて二枚目で、剣も冴えわたるが、美しい娘子にはつい浮かれてしまう内藤三左衛門、二十三歳。一見すると極楽とんぼだが、役に就かない旗本の当主だけに、懐はいつもからっけつ。屋敷の庭に建てた道場を賭場にして、密かに寺銭を稼いではいるが、金に厳しい祖父の次郎右衛門に取り上げられて、今日も飲まず食わず。しかも、内藤家の小者なのに、みずから用人を任じてはばからない嘉平にさえ、侮られる始末だ。仕方なく喧嘩の仲裁で日銭を稼ぎ、なんとか食いつないではいるものの、腹が減っては目を回す「平穏な」日々を送っている。ところがある晩、次郎右衛門にこき使われている博徒の親分・伝蔵の警固中、「妙な」辻斬りに出くわした。大川橋の上で四人に囲まれたのだ。得意の剣で切り抜けたはいいが、それがどうやら運の尽きだったらしい。下は南町奉行所の定町廻り同心・大塚右門、上は白河藩主で老中首座の松平越中守定信を巻き込んでの、公儀を揺るがす大きな謀略に挑む羽目になり……。温かくて胸のすく、痛快長編時代小説!

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