遅日の岸
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シリーズ
全1冊
作品情報
◆ふらんす堂電子書籍1000円シリーズ◆第一句集沖群青外套の胸開けて立つ俳句を手放さずに、と書いたが実際は逆で、俳句の方が私に寄り添ってくれていたのに違いない。(あとがきより)◆自選十句花の上に押し寄せてゐる夜空かな鳩は歩み雀は跳ねて草萌ゆる投げ出して足遠くある暮春かな初夏の木々それぞれの名の眩し吊革のしづかな拳梅雨に入る松の影ゆれて松風蟻の道振り消してマッチの匂ふ秋の雨団栗の青きが握り拳の芯秋の雲いくつ流れてシャツ乾く枯蟷螂人間をなつかしく見るあをぞらをしづかにながす冬木かなガラス戸の遠き夜火事に触れにけり