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ガダルカナルは、もう思い出か 悪しき国家体質、日本の宿痾としての戦争を顧みる

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作品情報

連戦連勝だった日本軍が大敗し、敗戦のきっかけとなった悲劇の島。日本を象徴する「玉砕」の構造を、現代の視点から紐解く!【本文より】やがて雲が出て、地上は見えなくなってしまった。もう二度と来る事はないだろうからもう一度島を見ておきたかったのにと、窓の外を見て残念な気持ちだった。すると突然雲が切れて、眼下に海岸線が現れた。そのとき飛行機が気流の関係か、一瞬、ぶるんと、揺れた。私にはガ島の英霊が海岸に集まり、竜巻のように吹き上がり、飛行機に飛び掛った如くに感じられた。俺達の悲惨な死はもう嘆いてくれなくても良い、それよりお前たち、俺達の悲劇的な死を教訓にして、せめて今度は馬鹿な作戦で負けることはない様にだけ、してくれ、そうなって呉れてこそ、俺達は安らかに成仏できる、そう訴え、飛行機を揺さぶったように思えた。【目次】1 ガダルカナルへ2 ガダルカナルの「今」3 ホニアラ市街散策4 朽ちた慰霊碑5 ムカデ高地6 ギフ高地と僧侶7 レッドビーチ8 エスペランス岬(1)9 アメリカ人を殴ったソロモン人10 エスペランス岬(2)11 エスペランス岬周辺にて12 英霊の訴え13 旅を終えて【著者】護山八十二(もりやま・やそじ)昭和45年、愛知大学文学部卒業、地元企業に就職。平成13年退職後、不動産仲介業を開設。平成27年廃業後、執筆に専念。平成2年、ガダルカナルの戦闘の中に日本の宿痾を見、宿痾が顕現した地を見分するべく渡航。現地で「なぜ海軍は陸軍の輸送船団を護衛しなかったのか」というかねてからの問いについて考え、これは日本国家の体質に由来するものであり、時を経た現在においても、その悪しき体質は変わっていないことを悟る。本書は長年にわたり自分の頭で考えを重ね、現代にも通じる日本の問題点に気づき、それを炙り出すべく綴ったものである。

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